スプレッダーバーとは(拘束に使う棒の説明)

スプレッダーバーとは、左右に枷が連結した棒のこと。主に拘束プレイ(手枷、足枷)で用いられる。


◆ スプレッダーバーの説明(概要)

別名:スプレッドバー、拘束棒

スプレッダー(Spreader)という「広げる」という意味と、バー(Bar)という「棒」が合わさった言葉である。(英語:Spreader bar)

海外のBDSMモノでは、結構見かけたりするが、日本のAVや漫画での出現頻度は低いため、この棒の名前はあまり知られていない。(一応、日本のSMモノで、たまに出現したりはする)


材質は、ステンレス製の金属棒であることが多いか。

棒の左右にある拘束ベルトを、対象の手首や、ひかがみ、足首などに取り付けることで、行動の制限を課す。

取り付け方次第では、M字開脚や尻出しのまま動けなくするので、見た目的には結構エロい。

ただ、スプレッダーバー単体では、あくまで足の開封を妨害するに過ぎず、上下には移動することが許されるため……これ系統の拘束具の目的と思われる「対象の性器を自由に触れられる」ことを達成したいなら、何らかの追加の拘束器具が必要である

(棒の部分に麻縄やチェーンで固定して上下運動を封じれば、性器を多少自由に弄ることができるようになる)

(膝を自由に動かせる場合でも、股をある程度閉じることが出来てしまうため、SMプレイでは注意が必要だろう)


◆ スプレッダーバーの役割(用途)

ここでは、拘束する体位とエッチなことについて述べる。


◇ 立ち状態

立っている状態の足にスプレッダーバーを装着すると、股間を開脚した状態でまともに移動できなくなる。

しかし、このままだとバランスを崩して倒れてしまったり、屈伸で性器の位置が移動してしまったりするので、何らかの手法を用いて、体を支える必要があるだろう。

主に、吊るし系の束縛と相性が良い。また、膝立ち拘束にも一応使える。


◇ M字開脚

スプレッダーバーの使用で最もよく見かけるであろう姿勢。脚が閉じれなくなるシチュエーションは、分娩台に似たような良さがある。

だが、そのままだと足の上下運動を起こされてしまうので、拘束力を高めたいなら、スプレッダーバーを拘束椅子に固定したり、麻縄で縛って頭の方に移動させておくべきである。

(ソフトSMのように軽く拘束したいぐらいなら、特に何もしなくて良いだろう。多少行動が制限されるだけでも、興奮はかなり強くなるだろうし、エッチなポーズで固定することで、強い官能を促す)


因みに、M字開脚の場合は、膝で拘束するタイプと、足首を拘束するタイプと、足首と手首を一緒に固定するタイプの3パターンが主流である。


◇ まんぐり返し(∨字開脚)

スプレッダーバーは、まんぐり返しのポーズの固定にかなり適している。

棒を上部に固定するだけで、まんぐり返しのポーズを止めることができなくなり、かなり恥ずかしい姿勢を強いられる

ついでに、足首の側に手首も拘束しておくと、拘束力が大分強くなり、性器をどういじられても抵抗することができなくなるはず。

拘束力と淫乱なポーズの両方を満たしてくれるので、エッチな面では、とても良い姿勢なのだが……柔軟な体を有していること、前戯にストレッチ運動を行わないといけないこと、それに、このポーズは長く持たないといった欠点があるので、実際に拝める可能性は低い。


◇ バック(お尻を出すポーズ、膝肘位)

尻フェチが喜びそうなポーズ……に見えたりするが、それは(AVなどの)女性が協力しているからであり、実際に足だけを拘束してもうつ伏せになるだけである。突き出たお尻を拝むことはできない。

だが、これはあくまで足単体を拘束した場合であり、手枷が連結しているタイプで拘束したり、腰を吊るすようにすれば、ある程度期待しているものが見れなくもないか。

棒と麻縄の扱い方をよく理解していれば、ムッチリしたお尻を存分に楽しめるだろう。


◇ 肩の側で手を固定

手と腕の行動を制限する拘束手法の1つ。立ち状態だと手に負担がかかるので、この拘束を行うときは仰向け推奨。

腕を曲げた状態で手を上に移動させていると、結構な興奮と快感が生じたりするのだが、棒が邪魔してしまうこともよくあるので、予め枕やタオルケットの下などに配置しておくのが良いと思われる。


◇ 腰の後ろ側で手を固定

手を後ろで固定すると、かなり不自由になるので、対象を拘束するのには適しているのだが……その状態で無理に動くと、肩を痛める可能性があるので、どちらかといえば魅せポーズだろうか。

気をつけながらエッチすれば、ソフトSMプレイでもわりと有用かもしれない。


◇ 180度開脚状態で拘束固定

通常のスプレッドバーでは不可能なので、細長くて強度のある棒とボンテージテープや麻縄などが必要。……さらに、拘束する女性もかなり柔軟でないといけないため、この姿勢で楽しめる可能性は殆ど無い。

完全開脚状態にはロマンがたっぷり詰まっているだけに、残念であろう。……だが、念入りに準備すれば、見れなくのもないか。


その他にも、脚曲げ拘束や、しゃがみ状態で、手首と足首を拘束する手法とかもあったりするが、長時間のプレイに適していないので、短時間のお遊び程度と考えておくべきである。


◆ スプレッダーバーの使い方(扱い方)

スプレッダーバーの使用で気をつけておきたいのが、スプレッダーバー本体をどのように固定するのかと、装着後の体位を予め決定しておくことだろう

スプレッダーバーの固定に関しては、上記の説明の通りで……バー自身を何らかの用法で固定、もしくは、装着者に追加で拘束器具を付け加えないと、足を動かすだけでバー自体もわりと自由に動いてしまうため、楽しいSMプレイが阻害されてしまう。

装着後の体位をイメージに関しては、考えなしにスプレッダーバーを取り付けると、体位が変更しにくくなる上に、棒が邪魔して目的の行為がなせない……ということになりかねない。

スプレッダーバーの装着前に、スプレッダーバーをあまり動かせなくする方法の考察と、体位の決定を、忘れないようにしておきたい。


◆ スプレッダーバーの利点や欠点について

スプレッダーバーのメリットは、手枷や足枷より拘束力が高いことと、単体でもある程度機能すること。

スプレッダーバーのデメリットは、収納しづらい、意外と扱いが難しいことが挙げられる。

SMプレイを多用するカップルでないなら、あまり役に立たないかもしれない。SMホテルで見かけたら遊んでみるぐらいが適切だろうか。


◆ スプレッダーバーを使った性的なプレイやシチュエーションに関して(男性向け)

棒と枷を一緒に見せることで、拘束していることや、脚が閉じれないことを強く強調する性質がある。

また、革(ゴム)のベルトや銀色の棒の美しさから、ボンテージプレイに用いると見栄えが良い。


◇ 女性器を露わにした状態で固定

男の夢。M字開脚拘束には魅力がたくさんある。

この状態にした後は、バイブ責めや拘束セックスでお楽しみが主だろうか。


◇ 強制開脚状態

スプレッダーバーなら、パンツや女性器を露出させた状態で固定することもできるので、羞恥プレイや放置プレイにも使える。


◇ SMプレイの表現

とりわけ、拘束力が強いので、この棒を出現させるだけで、嗜好性の高いSMプレイや調教プレイを演じることができる。


◇ スプレッダーバーの代理

拘束プレイの中には、モップや鉄棒などでスプレッダーバーの代理を行っていることがある。


◇ 首輪に紐などで連結

首輪と連結させることで、スプレッダーバーと一定以上距離がとれないようにして、女性器や陰部の公開を強制させるプレイも存在する。

ついでに、パンツとかにリモコンバイブを固定しておくと、色々と美味しかったり。

……ただし、現実で行うと首の裏側を圧迫することになるので、そういうプレイをしてみたい場合は、スプレッダーバーの力のバランスに気をつけなければいけない。


◇ 日頃の調教道具

拘束固定はしないものの、動きを制限させることで、調教を促す役割も有している。

また、姿勢や行動の矯正にも適正がある。日頃からスプレッドバーを付けさせることで、M字開脚やガニ股を自然に行えるようにしたり、羞恥心を削ぐように仕向けたりする。

……当然、股が開いた状態なので、調教者にあったら、股間を愛撫したり、バイブを定期的に出し入れしてみたりするのも良いだろう。


◇ 性開発

拘束椅子 + ピストンマシン + スプレッダーバーの組み合わせで、何度も膣内をこすり続けるような放置型の調教プレイもある。

それと、M字開脚 + 通常のセックスなどを行い、M字開脚は快感であることを脳内に植え付ける……といった性開発の役割も担うことができる。


◇ 挿入前の演出

スプレッダーバーが脚に装着されているということは、どうあがいてもチンポの挿入を止められない(逃げられない)、という表現に等しいので、これを強調するために用いられることがある。


◇ 奴隷プレイに利用

快楽調教の前座。

全裸+腕や足にスプレッダーバーを装着することで、一切の抵抗ができないまま調教されてしまう。

……といった表現をしたい時に有用。


◇ 対象の体に苦痛を与える

長時間拘束されると、苦痛や不快感が生じたりするのだが、これを利用して快楽調教することで、「苦痛 ≒ 快楽」と脳に刷り込ませることができたりする。


◇ 緊縛との組み合わせ

股間や女体に麻縄を食い込ませた状態で放置することで、長時間、上手く動けないまま麻縄の食い込みの快楽調教を受け続ける……といった使い方もみられる。


◇ 囚われの女性の表現

拘束具の中では結構目立つ方だと思われるので、拘束プレイを表現するのに適している。


◇ まんぐり返しの拘束固定

まんぐり返しとスプレッダーバーは相性が良いので、この姿勢を保つ拘束プレイでは、結構登場する。


◆ 終わりに

枷の一種ではあるものの、スプレッダーバーならではの良さも結構あるので、興味があったら探してみると良いかもしれない。

……しかし、拘束棒として意外と多く登場している割には、名前を覚えている人が少ないので、タグ検索に引っかかりにくい。……この記事を書いた時点では「スプレッダーバー」だと全然検索にヒットしないので、調べる時は「拘束棒」にすべきだろう。






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