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催眠快楽装置「ネコミミヒプノ」
ネコミミヒプノの効果は、哲也の予想以上に凄かった。
もちろん、自信がなかったわけではないが……いつも以上に発情してしまう香奈の様子が見られる程度、と思っていたのだ。
それだけに――。
ちらっと後ろを見る。
作業台の上には、他の『ケモミミヒプノ』が、未完成の状態で置かれている。
プロトタイプ型であるネコミミヒプノから、さらに催淫性を爆発的に高めた『ド淫乱タイプ』のウサミミヒプノ。
そして、淫乱度合いはネコミミヒプノ同様だが、言われるがままに従ってしまう『高服従タイプ』のイヌミミヒプノ。
……だが、ネコミミヒプノに、これほどの効果があるなら、わざわざここまで作らなくても良かったかな……?
何より、この2つの試作品の効力は――。
「哲也ぁ……」
彼のズボンを、香奈の細い指が引っ掻いた。
何? ……と聞いて、哲也は振り返る。
ソファーベッドの上に、仰向けに寝転がる香奈。
「ほらぁ」
くねくねと肢体を躍らせ、むちっとした肉質感の高い太ももを見せつける。
「っ……」
「可愛いー?」
「ああ、その……可愛いよ」
冷静を装うために、ずれてもいない眼鏡をクイっと持ち上げる。
「にゃふぅ……はぁぅー……」
ずり落していた毛布を引っ張り上げて、そこに体をこすりつける。
「ぅなぁー……ぅぅー……」
猫のマーキングのような行動に見えた。
発情期の雌猫が、自分の匂いで雄を誘うのだ。
「よぉし、よぉし……」
香奈の横に座り込んで、頭を撫でる。
「んー……気持ちぃーよぉ……」
「いつもの香奈じゃ、絶対にこんなことをしないよね」
「ぅー、なんかぁ……変にゃんだよぉ……」
『哲也の催眠くらい、どうってことない』と言っていた強気の彼女はどこへやら。
(んっ……?)
催眠にかかっていること自体に気付いていないのか?
香奈の眼を見ると、彼女は気持ちよさそうに目を閉じて「ぅうぅ~」と小さくうめいた。
「ここもぉ」
彼女が首をもたげ、あごを突き出してくる。
猫は、あごの下を撫でられるのがとても好きだ。
なんでかは知らないが、触らせてくれる猫なら、ここを撫でて怒られることはまずない。
「し、仕方ないな……」
哲也は、実際の猫を触るときと同じように、香奈のあごの下に手を回す。
「んぉ~っ……いいよぉ、哲也ぁ~……」
うっとりとした声を出して、撫でられるがままに首を上下に揺らしている。
「本物の猫みたい」
「そうだよ~……んぅぅー……私はぁ、雌猫にゃん……」
その言葉を聞いて、胸が高鳴った哲也たが……ひとまず、落ち着く。
あまりの成功具合に気を取られ、そういう風に自分で設計していたのを忘れていた。
『あなたは何ですか?』というような質問に対しては、必ず『私は雌猫にゃ』と返すように、そういう催眠をかけているのだっだな……。
自分の性癖に直撃するようなことを言われて、どきりとしたが……まあいい、過去の自分のお陰である。
「こっちもぉ……」
香奈の指が、彼女の唇をさわっと撫でた。
哲也は、彼女を抱き寄せ、耳元でささやく。
「まったく、わがままの多い猫ちゃんだな」
「猫は、わがままなんだもんっ」
むいっと膨れたその口先を、軽く奪う。
「んぅ……っはぁん――くちゅっ、っ、っはぁっ……!」
2つの唇を交わらせながら、哲也の手は、彼女の背中をまさぐる。
背骨に沿って、頭からお尻の方へと撫でおろす。
「ぅ~っ、ひゃぅあぁ……んちゅぅっ」
お尻まで行ったら、再び、頭の方を撫で上げる。
「んひぃぃ!? あっ、うひっ、あはぁっ……!!」
香奈の反応を見るに、どうやらお尻側から撫で上げられるのが好きらしい。
――昔飼ってた猫は、発情期に背中を撫で上げたら、驚くほど低い声でうめいて、トロンとした目で俺を見上げていたっけな……。
発情期以外では、結構嫌がられるはずの撫で方だが、これは香奈にも効果がありそうだ。
哲也は、もう一度お尻の割れ目のところに、指を添えた。
そこから、彼女を抱きしめたまま、ゆっくりと、舐るように背筋を撫で上げる。
「お”っ! ん”あぁ”ぃ……てつっ、これぇ”っ、しゅごぃいいぃぃっ!」
香奈の指先に力が入り、哲也の背中に優しく食い込む。
(お……おぉ……っ)
たったこれだけの動作で、AVでしか見たことがないような喘ぎ声を出している。
体もビクビクと震え、まるでアクメしているみたいだ。
ふと、甘い匂いが立ち込めてきた。
香奈からだ。
――まさか、これがフェロモンって奴なのか? 人間には知覚できないはずだが――。
哲也は、ドキドキしながら、その匂いのもとを探す。
女体にふんふんと鼻を近付けて嗅ぐ。
「何してるの……?」
さっきの背中への愛撫が相当良かったのか……おさわりが止まってしまったことに対して、不満をもらす香奈。
「──ここか?」
哲也の鼻先が向いたのは、下着に隠された、たわわに実る乳房。
ブラジャーの上に顔を押し付けて、胸いっぱいにその匂いを嗅ぐ。
「にゃっ……?」
「甘い匂いがする……」
彼のつぶやきに、香奈は小さく笑う。
「匂いだけで、いいの?」
「え?」
彼女の手が素早く後ろに回り、はらりと布を取り去った。
「もっと直接、感じてもいいんだよ」
哲也は困惑して、香奈の顔を見上げた。
いつもなら、哲也が頼み込んで、ようやく見せてくれるおっぱい。
挿入自体よりも、香奈は胸を触られる方が好きみたいだったが、それでもこんなに露骨に、自分からさせてくれることなんてなかった。
大丈夫だろうか。
催眠とはいえ、あまりに気持ちに反することをしてしまうのは、本意ではない。
表情は――。
「どうしたの? 早くペロペロしてよぉ~」
ニヤニヤと煽るように彼のことを見下ろしながら、2つの柔らかい丘を彼の顔に押し付けている。
「っ……知らないからなっ!」
舌を出し、乳房の下半球をベロリと力強く舐め上げた。
「んにゃぅぅ~、もっともっとぉ」
香奈の手が、彼の頭をホールドする。
豊満な胸に押し付けられ、甘い雌の匂いを嗅がされながら、哲也はもう我慢もならず、乳首にちゅうっと吸い付いた。
「にゃはぁぁ~っ……いいよ哲也ぁ~っ……エッチな雌猫の発情おっぱい、チュッチュしてぇ~っ!」
彼女が望むまま、彼の舌先は乳首を優しく弄り回す。
「んふぁ~ぅ――イ、あぁぃいよぉぉ……う~っ、あっ、んんっ、にゅっ、あっ、ぅあぁ……!」
舌が周回するごとに、彼女はビクビクと体を震わせて、快感に取り込まれていく。
「もっとぉ、もっとぉ……! そんにゃんじゃ足りないよぉ……」
だんだん、雌の匂いが強くなってきた。
同時に、哲也の下半身も、もう我慢の限界に達している。
……早く、この淫らなネコ香奈の中にねじ込んで、すべてを開放したい……!
乳房から口を離し、香奈の顔を見上げると……そこには美しい顔があった。
彼女の瞳の瞳孔は、大きく開かれており、甘くとろけて、輝きを放っている。
「ぅーっ……おっぱい終わりなのぉ?」
哲也が無言でうなずくと、彼女は「そっかぁ」と、残念そうに呟く。
だがすぐに、一層顔を赤らめて、いたずらに彼を目でなじる。
「哲也ぁー、ねぇー」
軽く握りこまれた香奈の手が、彼の腿を撫でる。
「わかるでしょぉ……?」
ネコミミがへたんと垂れて、声が震えている。
「メスネコがこうやって男の子を誘うのがどういう意味か、ね……っ」
――めまいがするほどの衝撃。
偽物とは言え、ネコミミ娘が、俺のことを誘ってきているなんて――。
ミミの効果なのかは分からないが、その紅潮した顔は、いつもの何倍にも可愛らしく見えて……哲也の理性を引きはがそうとしてくる。
「香奈」
これ以上は、一応伝えてからでないと。
実験の成功を言った上で、これからすることの合意だけは、取った方がいい。
「んにゃぁ?」
香奈は首をしなりと傾けて、ほほ笑んだ。
「なぁに? セックス~?」
「っ……!」
――前言撤回だ。
香奈の手が、哲也のベルトを外す。
振りほどく気になれば、いくらでもそうできたはずだった。
けれど、もう彼は、彼女の求めるがままになっている。
ああ、淫靡な匂いを漂わせる猫娘の膣肉で、このいきり立ったモノを鎮めることしか、考えられない――!
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